4年3ヶ月勤めた通信会社を辞めて、留学しようと思ったのは、シリコンバレーでソフトウェアエンジニアとして働きたい、そんな想いからでした。といっても、米国永住権はないし、コネもないので、先人たちがどのような方法で米国で職を得たのか調べました。本やネットの情報、転職エージェントや出向者の話などから4つの王道パターンがあることがわかりました。

  国内企業の現地法人への出向 外資系企業日本法人に就職後、異動 現地企業への直接応募 留学からの就活
Visaの種類 L-1 L-1 H-1B F-1(OPT)
よくある職種 マネージャー カスタマーサポート ソフトウェアエンジニア ソフトウェアエンジニア
ポジション数 極小 少数 多数 多数
準備時間
コスト ほぼゼロ ほぼゼロ 引越費用 学費 + 引越費用
開始時期のコントロール できない 可能 可能 可能

*この表は主観によるところが大きいです

国内企業の現地法人への出向

前職でも、世界中に現地法人があり、出向しておられる方がいらっしゃいました。ただ、それなりの勤続年数が必要なことと、ポジションがかなり少ないので、いつ出向できるかわからないことが課題でした。それ以上に重要なこととして、マネージャーとしての出向がメインで、私が目指すソフトウェアエンジニアで出向している方は聞いたことがありませんでした。

外資系企業日本法人に就職後、異動

外資系企業では、世界中の空きポジションに応募できる社内公募制度が整っており、その制度を活用して米国で働いている方もいるそうです。自身で異動時期をコントロールできますし、会社都合の異動になるので引越し費用も会社が負担してくれます。ただ、外資系企業日本法人にソフトウェアエンジニアとして採用されるのは狭き門で、多くはカスタマーサポートとして採用された後、日本の夜間をカバーする目的で米国などに異動しているようでした。よって、この方法でもソフトウェアエンジニアとして働くのは難しそうでした。

現地企業への直接応募

たいていの会社はオンラインで応募ができるので、日本にいながらにして直接現地企業に応募することもできます。このケースでの注意点は、応募する会社が就労ビザ(H1-B)のサポートをしてくれるかどうかです。それなりに大きな会社ではサポートはしてくれますが、そのような会社の人気ポジションの選考を、ボキャブラリーの少ない私の英語で通すには難しく感じられました。

留学からの就活

留学ビザ(F-1)ではもちろんフルタイムで働くことはできませんが、卒業後、大学の専攻と関係がある分野で就労する権利(Optional Practical Training, OPT)が与えられます。基本的には卒業後1年間働くことができるものですが、コンピュータサイエンスを含むSTEM(science, technology, engineering, and mathematics)系の分野で学位をとると延長が可能で(OPT STEM Extension)、卒業後3年間働くことができます。また在学中のインターンや卒業生のコネクションを利用することで、日本から直接応募するよりも確度が高く、就職することができるそうです。このケースの課題は、時間とお金がかかることです。

最終的に…

上記の4つの選択肢を考慮した結果、留学からの就活を選ぶことにしました。米国で働けるだけでも貴重な経験ですが、ソフトウェアエンジニアとして働くというところにもこだわりたかったからです。また、現地採用されてすぐに英語で業務を回せる自信がなく、その点が留学で伸ばせるのもよいと思いました。ただなにより、自分が合格した大学の卒業生が、シリコンバレーの最前線で働いているのをみて、自分もこうなりたいと思ったのがこの選択をした最大の理由です。お金はかかりますが、シリコンバレーの高い給料であればすぐに返せると信じています。