前回は自己啓発的な内容だったので、今回は具体的に英語力をつけてTOEICスコアを上げる方法の話を書いてみました。長文になってしましました。。。

単語

TOEICの単語は大学受験で要求される英単語に近いです。もし、大学受験時の単語帳があればまずはそれを復習するのがよいと思います。

単語を覚える際の注意として、下記3点が上げられます。

  1. 復習を繰り返すこと
  2. ランダムに復習すること
  3. 目で覚えるだけでなく、音としても覚えること

日常的に使わない英単語を長期記憶にのせるには時間がかかり復習を習慣づけるしかありません。また、単語帳の問題点として、位置で単語の意味を覚えてしまうという問題があります。例えば、単語帳が下記のようになっていた場合、 appointment を 約束 と覚えるのではなく、1ページ目の1番上にあるから 約束 と覚えてしまい、テストで appointment と聞かれてもわからなくなるということがあります。

No 単語 意味
1 appointment 約束
2 schedule 予定
3 meeting 会議
4 complaint 不満
5 office 職場

さらに、大学受験の際はリスニングが出題されることがほとんどないので単語の発音を覚える必要はありませんが、TOEICではリスニングがありますので、単語の発音まで覚える必要があります。

月額利用料が千円程度かかりますが iKnow というサービスを使うと、上記の3つの問題をクリアして効率よく単語を記憶できます。iKnow自体TOEIC用の単語セットを提供しているので、すぐに始めることができますし、自分で単語を登録することも可能です。復習に関しては、iKnowが各単語の正答率をみて、記憶しているものは低い頻度で、記憶していないものは高い頻度で復習できるように管理してくれるので、苦手な単語を重点的に勉強できます。また、出題は完全にランダム化されていますし、出題方法としてスペルから意味を答える問題もあれば、単語の発音を聞いて意味を答える問題もあるので、発音の暗記も可能です。

iKnow1

各単語の記憶率を表したMap。exorbitantは79%で復習が必要な単語を表しています。

iKnow2

意味から単語を当てる問題の例。この場合、「法外だ」に対応する単語を選択します。

iKnow3

ヒアリングをして単語をあてる問題の例。スクショだとわかりませんが、、単語の音が流れています。

文法

文法自体は、中学・高校で習ったものがそのまま使えるので、あらためて勉強する必要はないかと思います。ただ、Part5でに限っては、熟語やコロケーション(単語の組み合わせ)などを覚えていないと解答できません。下記の文法特急によくまとまっているので一読されるとよろしいかと思います。

リーディング

時間内に読み終わらない…という話をよく聞きます。その場合、下記3点が足りないのかと思います。

  1. 単語が足りていない
  2. 必要な情報に限って読んでいない
  3. 日本語の順番に直して読んでいる

単語が足りていない

よくリーディングでは単語を推測しなさいと教わりますが、推測はあたるとは限らないし、周りの本文を読んで単語を推測するには時間がかかります。

例えばVOA Newsから引用した下記の文章にしばしば出てくる coup という単語の意味がわからなかったとします。 coup は3つの全てのパラグラフに出てくるので推測も不可能ではないと思いますが、推測した意味がすべてのパラグラフで正しく当てはまるか確認する必要があり、これはかなり時間がかかります。もし coup がクーデターと知っていれば、そんなことに時間を割くことなく読み進められるのです。よってTOEICの練習問題を解いている際にわからない単語がでてきたら覚えてしまったほうがよいです。

SAN MATEO, CALIFORNIA — Since the failed military coup in Turkey one year ago, it’s been harder for startups to attract foreign investment, said entrepreneurs at a recent tech conference in California.

After the July 15, 2016, coup attempt, the Turkish government cracked down on perceived opponents to President Recep Tayyip Erdogan. Many have lost their jobs and thousands have been imprisoned, including journalists, academics and activists.

For Mustafa Acet, an entrepreneur in Istanbul, the coup and its aftermath have been a setback for the burgeoning tech ecosystem in Turkey. He recently attended Etohum San Francisco, an event bridging the Turkish startup community with Silicon Valley.

必要な情報に限って読んでいない

TOEICではしばしばチラシのような文章がでます。このような文章ではそもそも全ての文章を読む必要がないのに、丁寧に全部を読んでしまっている人がいます。

例えば、下記は有名な英語教材ヒアリングマラソンのキャンペーン広告ですが、もし設問が「申込締切はいつか?」というものであれば、いろいろなヒアリングマラソンの紹介文を無視して、日付を探して6/25、7/25と見つけるでしょう。

ALC

TOEICのチラシ問題でも同じように必要事項のみ読むことが可能ですし、そのようなスキルを試している問題なので、本文を丁寧に読んでしまっては時間がなくなります。TOEICの練習問題をやる際に、設問から読んで、それに対応する必要な箇所を見つける練習をすると良いと思います。

日本語の順番に直して読んでいる 英語は、①主語、②動詞、③目的語の順で文章が作られるのに対して、日本語は①主語、②目的語、③動詞の順なので日本語に訳そうとして本文を入れ替えようとしますが、TOEICのReadingの1文は長いので、入れ替えに試行錯誤したりして時間がかかります。英文を英文のまま理解しなくても、英語の順で日本語に訳して理解できるスキルが身につけば、スピードアップして読むことができます。

例えば先程と同じく、VOA Newsから長めの文章を引用してみました。

Despite being a market of nearly 80 million people, Turkey is still limiting for companies ready to becoming bigger, said Elif Ceylon, U.S. program coordinator for ITU Gate, which is a program out of Istanbul Technical University trying to bring successful Turkish startups to the United States.

これをきれいな日本語にするためには、並べ替えの並べ替えが必要なのでかなり大変ですが、ひとまずwhich節に限って並べ替えてみます。

  • 元の英文: ITU Gate, which is a program out of Istanbul Technical University trying to bring successful Turkish startups to the United States.
  • 並べ替えた英文: “ITU Gate” “Turkish startups to the United States” “trying to bring successful” “Istanbul Technical University” “a program out of”
  • 日本語訳: ITU Gateはトルコのスタートアップを米国に連れていくことに挑戦しているイスタンブール技術大学から生まれたプログラムです

動詞と目的語を入れ替えるだけといっても、複雑な文では時間がかかりますし、何度もこの並べ替えで合ってるか、、、確認作業が入り時間がかかります。これを英文の順番の訳して理解すれば、そのような並べ替えや確認作業がなくなり、素早く読めるのです。例えば、上記の例では以下のようになります。

  • 元の英文: ITU Gate, which is a program out of Istanbul Technical University trying to bring successful Turkish startups to the United States.
  • 英文の順の日本語訳: ITU Gate プログラムです イスタンブール工科大学から生まれた 挑戦している 連れていく トルコのスタートアップ アメリカへ

もちろんすぐにできるようになるわけではありませんが、Readingの練習中に意識してやることで素早く習得できると思います。

Listening

最後にリスニングです。リスニングが苦手な人は下記、2つが足りていない可能性があります。

  1. 本文の一部の単語しかとれなかった
  2. 日本語の順番に直して理解しようとしている

本文の一部の単語しか聞きとれなかった

リスニングのスピードが速いと感じられたり、単語がわからなかったりという理由で本文の一部しか聞き取れなかったとします。これは、音質の悪い状況で電話をしているようなもので一部しかわからなければ、やはり誤解がうまれます。

先程の文章がリスニングで流れたとしましょう。ただし、下記のように一部しかわからなかったとします。これでは、失業などなにか悪いことがあったことはわかりますが、その原因は全くわかりません。もしTOEICの設問が「なぜ失業者が生まれたか」というものだったら、これでは解答できないのです。

After the July 15, 2016, * attempt, the Turkish government *** down on *** *** to President Re Tay** Erd**. Many have lost their jobs and thousands have been **, including journalists, academics and activists.

少しでも多くの単語を聞き取るために、聞き取った単語をすべて文字起こしできるようにすることが大切です。先程紹介したiKnowではSentence Trainerというものがあり、ヒアリングをして穴埋めをするトレーニングができます。

iKnow4

まずは一部の穴埋めを始めて、慣れてくると一文丸々文字起こしする問題になります。このような地道なトレーニングをすることで、聞き取れなかった単語を少なくすることができます。

日本語の順番に直して理解しようとしている

仮に全文章の文字起こしができたとしても、それを素早いスピードで理解できなければ、次の文章が読み上げられ、それを文字起こしして、、、となり結局、本文の意味が理解できません。これは先程のReadingでも鍛えられるスキルですが、英語の順番で理解できるようにして、素早く意味を理解できるようにすると良いと思います。

最後に

本文中ではあまり強く触れませんでしたが、練習問題をたくさん解くことがもちろん大切になります。公式問題集の他にたくさん問題がのっている韓国系の問題集を使っていました。

以上が、私がTOEICのスコアをあげるために役立った勉強法になります。一度実践されてみてはいかがでしょうか。